塗り方と図案

一国斎塗りは黒仕上げにもせよ色彩仕上げにもせよ、十中八、九の製作品が蓋と身とを、何れの方面に向けても、其模様が確(しか)と合うのが、一つの特長とでも云うべきであるから、普通の絵師等の図案では下地に使用することが出来ぬのである。

偶々(たまたま)上手な絵師等の図案を送られて、之を下地にして呉れと注文されても、それは一国斎の意に適せないから、矢張自分が意の如く筆を執って行くのである。

それ故屡々(しばしば)普通の絵師から彼是と批評を受くることがあるそうだが、一国斎の決して関しない処であると云って居た。


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