桜蝶高盛絵瓢箪酒器
径6.0cm 高さ15.4cm
[作品解説]
歴代の一国斎は茶道や俳句などの趣味をもち、制作の裏側に
その影響をうかがうことができる。この作品も、日常生活の中から
生み出された一例であり、酒器の飾りとしても一興であろう。
瓢の背面に「畳にも 尻の 座らぬ 弥生かな 紫明一國齋」
と自作の句を銀蒔絵で書き、正面には一枝の桜と二匹の蝶を高盛絵で表わし、
俳句の意味を図様化している。瓢は注口に木製の栓をつけ、
中央に紫の丸紐を結ぶ。花見や句会の宴で使われたのであろうか。